結婚している夫婦のどちらかが、別の相手と「不貞行為」(通常は肉体関係のことをいいます)をした場合、夫または妻に対する「共同不法行為」(夫または妻と、その肉体関係の相手が2人でその妻または夫に対し違法な行為を行なったという意味)の責任として、慰謝料を支払わなければならないことがあります。

 慰謝料の金額については、①当事者の年齢、②婚姻期間、③婚姻生活の状況(不貞をしていない側からのDVの有無等)、④不貞の態様・頻度、⑤不貞期間、⑥婚姻生活への影響、⑦不貞していない側の精神的苦痛の程度、等によりケースバイケースで判断されますが、われわれ法律家の頭の中には、いわゆる「相場観」というものがあります。
 相場観について参考にしているのが、「判例タイムズ1278号45頁以下(2008年11月15日号)」です。
 これは、当時の岡山地方裁判所の安西裁判官が、不貞行為の慰謝料に関する多くの裁判例を分析してまとめたもので、慰謝料請求訴訟の指針となるものです。

 この分析によると、慰謝料の平均額は216万円(最低額が80万円、最高額が600万円)ですが、夫婦の婚姻関係が維持された場合には140万円となります。
 この金額は、私たちが普段扱っている不貞行為の慰謝料請求事件の結論とあまり変わらので、かなり実際の事件結果に近い数値だと思われます。
 そこで、弁護士が不貞行為の慰謝料について相談を受けた場合、「夫婦関係が破綻して離婚になった場合には200万円前後、継続した場合には、150万円以下」というアドバイスをすることとなります。

 もっとも、すべての案件が相場のとおりに解決するわけではありませんので、「自分のケースはどれくらい取れる(取られる)のか」については、専門家である弁護士にご相談いただければと思います。