離婚後の面会交流について

 子どもがいる夫婦が離婚した後、「親権(多くは監護権=育てる権利を含む)」を持たない親(「非監護親」といいます)から、「養育費だけを支払わされて、子どもとは全く会えない」というご相談を受けることがあります。

 このような場合、弁護士は、家庭裁判所に対して「子の面会交流の調停」を申立てて、非監護親が子どもと面会交流できるようにするためのルール作りを行い、「調停調書」にまとめます。

 では、このルールを親権者が守らない場合には、どうなるのでしょうか。

 この点について、昨年、同じ日に正反対の注目すべき判断がでました。

間接的に面会交流の強制を認めてもらえた事例

 ひとつめは、「間接強制」といって、「ルールを守らないならば1回につき○○円支払え」という非監護親の申立てが認められた最高裁判所の事例です。

 面会交流について①月1回、毎月第2土曜日の午前10時から午後4時まで、②子どもの受渡場所は親権者の自宅以外の場所とし、決まらないときはJR○○駅東口改札付近とすること、等が定められていたところ、親権者が非監護親の面会要求に応じなかった、というものです。

 これに対し、裁判所は、「面会交流の日時又は頻度、各回の面会交流時間の長さ、子の引渡しの方法等が具体的に定められているなど、特定できる場合には、間接強制をすることができる。」と判断しました(簡潔にしてあります)。

間接的な面会交流の強制を認めてもらえなかった事例

 ふたつめは、高等裁判所の事案で、面会について①2箇月に1回程度、半日程度(原則として午前11時から午後5時まで)面接をする、②親権者は、面接の開始時に○県○市の○通りの喫茶店の前で子どもを非監護親に会わせ、非監護親は終了時間に同場所において子どもを親権者に引き渡すことを当面の原則とする、というものです。

 これに対し、裁判所は「頻度や時間は決められているが、子どもの引き渡し方法について具体的に定められていない」として、間接強制を認めませんでした。

ふたつの事例の相違点

 ふたつを比較すると、一見同じくらい具体的な気がしますが、JR○○駅東口改札はひとつしかないから特定できるものの、○県○市の○通りに喫茶店が複数あったとしたら、「どのお店のことを言っているのか分からない」、ということになりそうですね。

 このように取り決め方ひとつで大きく違ってしまうところは、市民にとって分かりにくいところだと思いますので、離婚や面会交流の調停などでお困りの場合は必ず弁護士にご相談ください。